自分の興味の情報発信していきます☆

ビタミンE-Vitamin E

さぷりぺんたんのビタミンE

ビタミンEの歴史

ビタミンEは、1922年にEvansとBishopによってラットの抗不妊作用物質として発見され、Evansによってトコフェロール(tocopherol)と命名されました。
Tocopherolは、ギリシヤ語のtocos(子供を生む)とphero(力を与える)を合わせたものであり、olはアルコール類の意味です。
その後の研究で、ビタミンEには脂質の酸化を抑制するという抗酸化活性のあることが明らかにされ、ビタミンEの生理作用の主体は生体内での酸化的な障害の抑制であることが示されました。
人然に存在するビタミンEは、クロマン環に不飽和結合のないフィチル側鎖が結合したトコフェノール類(Toc)とクロマン環と3個の不飽和結合(二重結合)を持つプレニル側鎖が結合したトコトリエノール類(T3)類に分けられます。
それぞれは、クロマン環を構成するフェノール環に結合したメチル基の数と位置の違いによってα-、β-、T-、5-の4種類の同族体に分類されます。
Toc類は植物油(トウモロコシ油、ベニバナ油、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油、麦芽油、綿実油など)、ナッツ類(アーモンド、ピスタチオなど)に多く含まれている。
綿実油ではa-Tocと卜Tocがほぼ同等に含まれているが、トウモロコシ油、大豆油、ピスタチオなどではa- Toc よりもr Toc のほうが多く含まれ、ベニバナ油、ヒマワリ油、麦芽油、アーモンドなどではy- Toc よりもα-Tocのほうが多く含まれている。
また、クルミ油ではα-Toc、y-Tocおよびδ-Tocがほぼ同等に含まれている。
一方、T3類はヤシ油、米ヌカ油、麦ヌカ油などに多く含まれている。
これらのビタミンE同族体のうち、合成されているのは最も活性の強いa-Tocだけである。
合成a-Tocは、フィチル側鎖に結合している
lつのメチル基とフィチル側鎖が結合する部位のメチル基の絶対配位(S体と|(体)が異なる8種類のラセミ体(RRR-、jtSR-、習習S-、RSS-、Sj?7?-、SSR-、SRS-、SSS一体)の等モル混合物で、αyZ-r(1c-a-Tocと呼ばれる(以前はdZ-α-Tocと示されていた)。
この(111-rac-α-Tocのラセミ体の一つである7?7?柘α-Tocが天然のα-Tocである(以前は洽α-Tocと示されていた)。
α-Tocには遊離型ばかりでなく、酢酸塩(α-トコフェロール酢酸、a-TOA)、 コハク酸塩(a-トコフェロルコハク酸、α-TOS)、二コチン酸塩(α-トコフェロールニコチン酸)などがある。

ビタミンEの栄養摂取基準

ビタミンEの栄養価を表す単位は、合成α-Tocのアセチル化体α-TOA(dl- rac-α-tocopheryl acetate)1mgを1国際単位(IU)としている。
その生物的効力はラットでの胎児吸収試験で定められおり、天然のビタミンE同族体や合成されたビタミンEの生物活性を表1に示す。
我が国でのビタミンEの摂取目安量は、2005年改訂の「日本人の栄養素の摂取基準」では成人男性では1日7~9mgのRRR-α-Toc、成人女性では1日7~8mgの7?jtR-α-Tocとされており、α一体以外のビタミンE同族体はカウントされていない。
また、今回の2005年改訂によりビタミンEの許容上限量は成人男性で1日700~800 mg7?7?71!- a ? Toc、 成人女性で1日600~700 mg7?7?双-α-Tocとされている。

ビタミンEの生体内動態と代謝変化

食事として体内に摂取されるビタミンEのほとんどはα-Tocとy-Toc(通常の食品では、y-Tocがα-Tocの2~3倍多い)である。
α-Tocとy-Tocは区別されずに小腸から吸収され、さらに小腸で合成されるリポタンパク質キロミクロンに結合してリンパ管を経由して血液中に入り、肝臓へ輸送される。キロミクロンは、血管を輸送される過程で血管内皮細胞上にあるリポタンパク質リパーゼ(LPL)により部分的に代謝されてキロミクロンレムナントとなり、肝臓に取り込まれる。肝細胞内に取り込まれたビタミンE同族体の中で、α-Tocのみがa-トコフェロール輸送タンパク質(α-tocopherol transfbr protein、 α-TTP)に結介し、肝細胞で合成される超低密度リポタンパク質(VLDL)に組み込まれて再び血液中に放出され、いろいろな組織へ運ばれていく。
血液中を循環する際、VLDLはLPLにより低密度リポタンパク質(LDL)へと変化し、このLDLを介してα-Tocは各組織に供給される1)。
一方、肝細胞内に入ったy-Tocはα-TTPとの結合能が著しく小さいのでVLDLにはほとんど取り込まれない。
そのため血液中に放出される量も非常に少なく、肝臓中で代謝分解される。
ビタミンE同族体のα-TTPとの結合能は、a-Toc(100%)に対してβ-Tocでは約40%、y-Tocでは約9%、δ-Tocでは約2%、α-T3では約12%で、これらビタミンE同族体のα-TTPに対する結合能はそれらの生物活性とよく相関する。
健常人の血漿中のα-Toc、y-Toc、δ-Toc、α-T3、rT3およびδ-T3の濃度(平均値)はそれぞれ11.72、0.55、0.05、0.04、 0.04および0.02 mg/X であると報告されている已 ヒトでは、α-Tocを大量に摂取してもその血中濃度は通常のレベルの3倍以上(20~60μmol/X)に上昇することはなく、閥値がある。また、大量のα-Tocを摂取すると血清中のa-Toc濃度の上昇に伴って、r Toc やδ-Toc濃度は低下する已 ヒトがビタミンEを摂取した際、その血中濃度のピーク時間や血中からの消失の半減期はToc同属体間やToc類とT3類間で異なり、T3類の血中濃度のピーク時間はToc類の約1/3、またT3類の血中からの消失の半減期はToc類の約1/20と報告されている4)。
ビタミンEの生体内での代謝変化は、完全には明らかにされていない。
これまでに、ビタミンEの代謝経路としては二つの経路が知られている。
その一つは、α-Tocがそのクロマン環部分の酸化を受け、a-トコフェロールラジカル、α-トコフェロンを経てa-トコフェリルキノンに変化する経路で、この経路でα-Tocの抗酸化活性は失われる。
もう一つは、肝細胞内でクロマン環構造を保持したまま側鎖末端のCH3基が薬物代謝酵素チトクロームP450によってω酸化を受け、さらに生成したC00H基がβ酸化を受けて短くなる経路で、それらの最終産物は2-(β-カルボキシェチル)-6-ヒドロキシクロマン(CEHC)イヒ合物(図2)である。
現在では、この後者のCEHC化合物を生成する経路がビタミンEの主な代謝経路であると考えられている。
α-TTPとの結合能が弱いy-Tocなど、a-Toc以外のビタミンEは、これまでは代謝を受けずに肝臓から胆汁中にほとんどが排泄されると考えられていたが、現在ではこれらのビタミンEは肝細胞内で代謝され、主にCEHCイヒ合物となって尿中に排泄されると考えられている。
日本人を対象にビタミンEを摂取した時のビタミンE代謝産物の生体内動態が調べられており、健常成人(男性14名)にa-Toc(1 200 1U/日、朝300 1U、 昼と夕方450 1U)を28日間経口投与した際、投与期間中では血漿α-Toc濃度は約3倍に上昇し、血漿戸Toc濃度は逆に約1/3に低下すること、また血漿と尿中ではa-CEHC濃度ばかりでなくy-CEHC濃度も上昇すること、それらの変化は投与中|1128日後にはみられなくなることなどが報告されている。Traberら7)は、健常成人(男性1名、女性5名)に重水素で標識した天然型双7?双-α-Tocと合成型aZZ-r(tc-α-Toc(各150 mg)をそれぞれ1回経口投与して両者の濃度変化や代謝を調べ、血漿中の濃度はRRR-α-Tocのほうが高く、一方尿中ではd1-,・ac-α-Tocの代謝産物α-CEHCの濃度が高くなることを認め、aZ/-rctc-α-Tocは優先的にα-CEHCに代謝されることを明らかにしている。

ビタミンEの生理作用

細胞膜やリポタンパク質を構成する脂質に含まれる高度不飽和脂肪酸(リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸など)はラジカルによって酸化を受けやすい。
ビタミンEはこの脂質の酸化反応が連鎖的に進行する過程で生じる脂質ペルオキシラジカルを捕捉して連鎖反応を切断し、反応を停止する。
この脂質過酸化の抑制がビタミンEの主要な抗酸化作用であるが、ほかにも活性酸素(ペルオキシラジカル、ヒドロキシラジカル、スーパーオキサイドラジカル、一重項酸素、ベルオキシナイトライトなど)を消去する作用がある。
ビタミンEの抗酸化作用はToc類ではα-Tocが最も強く、また溶液中ではToc類とT3類との間で差はないが、膜内ではToc類よりもT3類のほうが強いことが示されている。
ビタミンEの抗酸化作用はビタミンC(アスコルビン酸)、ユビキノール、還元型グルタチオンなどとの共役反応によって効率良く発揮される。
ビタミンEは、加l庇roにおいて酸化を促進するプロオキシダントになる場合もあることが報告されている9)が、加t加oではビタミンCなどの抗酸化物質が共存するので、ビタミンEがプロオキシダントとして働く可能性は低いと考えられている。
このように、ビタミンEは抗酸化作用に基づいて生理作用を発揮する。
ビタミンEは他にも、膜安定化作用、抗血栓作用、ホルモン分泌調整作用、細胞増殖抑制作用、免疫応答増強作用、細胞内情報伝達作用、抗がん・抗腫瘍作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用など、どちらかというと栄養素としてのビタミン作用というよりは医薬品様の作用がある。
これらの医薬品様作用の発現には、後ほど“ビタミンEのサプリメント効果”の項で詳しく述べるが、栄養所要量の約100倍量が用いられることや、またα-Tocよりも抗酸化活性の低いToc同族体のほうが高い医薬品様作用を示すヶ-スがあることなどから、それらの少なからずは、抗酸化作用に基づかないと考えられる。
a-Tocとは異なる特有な生理作用を示すToc同族体やT3類の例を以下にいくつかあげる。
匠Tocには、シクロオキシゲナーゼー2(COX-2)活性、誘導型一酸化窒素合成酵素発現、ロイコトリエンB4(LTB4)生成などを阻害して炎症を抑制する作用があり、y-Tocの側鎖が酸化された代謝産物y-CEHCにはNa利尿作用が報告されている12-14)。
また、免疫応答増強作用はδ-Tが最も強い。
その他、α-、y-およびδ-T3はコレステロール生合成の律速酵素であるHMG-CoA還元酵素の活性化を阻害してコレステロールを低下させる作用16)がある。

ビタミンEのサプリメント効果

ビタミンEのサプリメント効果については、健常者(喫煙者を除く)を対象に、動脈硬化やがんなどの疾患予防、喫煙、筋肉運動、高度不飽和脂肪酸の過剰摂取などに対する効果が調べられており、また、種々の疾患患者(呼吸器疾患、循環器疾患、消化器疾患、腎疾患、神経疾患、内分泌疾患、眼疾患、血液系疾患など)を対象にその改善・治療効果が調べられている。
その際、用いられるビタミンEの量は、先に述べた栄養日安量(7~9mg)の数十倍から数百倍多い。

參健常者(喫煙者を除く)におけるビタミンEのサプリメント効果

健常者におけるビタミンEのサプリメント効果に関しては、酸化ストレス予防、動脈硬化症予防、免疫応答増進、インスリン作用増進などが調べられている。
Huangらは、ビタミンEサプリメントが酸化ストレスにある程度は予防効果を示すことを報告しているが、Meagherらは無効である可能性を報告している。
動脈硬化症の予防に対するビタミンEサプリメントの効果に関しても、効果があるという報告と効果がみられないという相反する報告がある。
DevarajらはビタミンEサプリメントを中止すると、ビタミンEの動脈硬化症予防効が消失することを示している。
また、ビタミンEサプリメントが高齢者で低下がみられる免疫応答能の増進に有効であるという多くの報告があるが、Parkらは体液性免疫応答能にはビタミンEサプリメントに増進作用のないことを報告している。その他、ビタミンEサプリメントがインスリン作用を増進することなどの報告がある。

傘喫煙者におけるビタミンEのサプリメント効果

喫煙と非喫煙者の間では血漿TOC類の濃度に有意な差はないが、α-TOC摂取後の血中からのその消失の半減期は喫煙者では非喫煙者よりも著しく短くなることが明らかにされている。
喫煙者におけるビタミンEのサプリメント効果は、酸化ストレス、動脈硬化症、心臓疾患、がんなどの予防に関して調べられている。
まず、喫煙者の酸化ストレスに対する予防効果に関しては、ビタミンEサプリメントが有効であることを示唆する報告と、効果がないという報告がある。
喫煙者の動脈硬化症に対するビタミンEサプリメントの予防効果に関しては、Porkkala-SaratahoらはビタミンEサプリメントがLDLの被酸化性を低下させることから有効である可能性を示しているが、動脈硬化症関連パラメーター(好中球機能、細胞接着因子など)の検討からビタミンEサプリメントが動脈硬化の則坊に有効でないという報告もある。
Neunteuf1らは、若齢喫煙者を対象に動脈硬化症の発症に関連する血管内被機能不全に対するビタミンEサプリメント効果を調べ,急性血管内被機能不全に対してビタミンEサプリメントが有効であるが、慢性血管内被機能不全に対しては有効でないと報告している。高齢喫煙者に対しては、長期間のビタミンEサプリメントが狭心症予防に有効であることや、冠動脈性心疾患予防に有効であることが報告されている。その他、長期間のビタミンEサプリメントが喫煙者の脳梗塞のリスクを低下させるが、致死性くも膜下出血のリスクは増加することなどが報告されている。
喫煙者のがん・腫瘍に対するビタミンEサプリメントの予防効果に関しては、中高年男性喫煙者の肺がん、豚臓腫瘍、胃がん、大腸がんについて、ビタミンEサプリメントが有効でなかったことが報告されている。
一方、尿道管がんや前立腺がんについては、ビタミンEサプリメントが効果のあることが報告されている。

轡筋肉運動におけるビタミンEのサプリメント効果

強度の運動は、活性酸素の生成による酸化ストレスをもたらし、筋組織が傷害されることなどが報告されている。この強度の運動によって生ずる酸化ストレスや筋組織傷害に対して、以下のようなビタミンEのサプリメントが有効であるという多くの報告がある。
すなわち
① 強度の運動による酸化ストレスの予防に対して、ビタミンEのサプリメントが年齢に関係なく若齢者にも高齢者にも有効。
② ビタミンEサプリメントがresistance excerciseによって生ずる酸化ストレスには予防効果を示さないが、筋組織障害に対しては予防効果を示す。
③ 青年ランナーを対象に、連続持久運動によって生ずる酸化ストレスばかりでなく、筋組織障害がビタミンEサプリメントによって予防される。
④ 伸張性運動後にみられる炎症や筋組織障害がビタミンEサプリメントによって予防される可能性がある。
⑤ 高齢者の持久性運動による酸化ストレス予防効果と血圧低下効果がビタミンEサプリメントによって増強される。
などである。しかし、多くはないが、運動による筋肉疲労の回復や運動試行能力の低下に対してビタミンEサプリメントが効果を示さなかったという報告もある。

高度不飽和脂肪酸(PUFA)過剰摂取におけるビタミンEのサプリメント効果

心疾患、ある種のがんなどのリスクを低下させるためにPUFAであるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)を食事やサプリメントにより摂取する場合が多い。
しかし、EPAやDHAは酸化を受けやすいので、これらを過剰摂取すると、過酸化脂質の生成が高まり、酸化ストレスが生じるため、ビタミンEを多く摂取してそれを防止できるかどうか、ビタミンEのサプリメント効果が数多く調べられている。
非喫煙者を対象に、PUFA過剰摂取による血液や尿中の過酸化脂質レベルの増加に対するビタミンEサプリメントの効果が調べられた結果、酸化ストレスに対して明確な予防効果がみられなかったという報告と、PUFA過剰摂取による血漿過酸化脂質レベルの増加がビタミンEサプリメントによって抑制されたという報告がある.Jenkinsonらは非喫煙者のリンパ球でのDNA酸化傷害が5%PUFA摂取時にはビタミンEサプリメントによって予防されるが、15%PUFA摂取時では予防されないことを報告している。
一方、PUFA過剰摂取の喫煙者ではビタミンEサプリメントによって血漿過酸化脂質レベルが逆に増加し、ビタミンEがプロオキシダントとして働いている可能性を示唆する報告がある。

ビタミンEのサプリメントによる各種疾患の治療・改善効果

高脂血症、動脈硬化症、心疾患におけるビタミンEのサプリメント効果17・18’

ビタミンEのサプリメント効果は、これらの疾患に対して最もよく調べられている。
ビタミンEのサプリメントが有効であるという報告例をあげると
① 一定期間低脂肪食を摂取させた高コレステロール血漿患者にヤシ油や米ぬかのT3を多く含む画分を投与すると、血漿や血清中の総コレステロール、  LDLコレステロール、トリグリセライド、アポプロテインB(ApOB)など  の濃度が減少すること、また7-T3投与でも血漿や血清中の総コレステロー  ル、ApOBなどの濃度が減少すること
② 一定期間低脂肪食を摂取させた高コレステロール血漿患者にα-T3、y-T3およびδ-T3の酢酸塩をそれぞれ投与した際、a-T3とy-T3の酢酸塩投与では血清中の総コレステロールやLDLコレステロール濃度に変化がみられないが、δ-T3酢酸塩投与ではそれらの濃度が増加すること
③ 高コレステロール血漿患者にa-TOAをサプリメントとして投与すると、血漿過酸化脂質レベルが減少すること
④ 動脈硬化症患者において、非致死性心筋梗塞のリスクがビタミンEサプリメントによって低下すること
⑤ 高コレステロール血漿患者においてビタミンEサプリメントによる動脈硬化症抑制効果や心臓血管疾患予防効果が期待されること
⑥ 狭心症患者においてビタミンEサプリメントが糖・脂質代謝異常を改善すること
などがある。一方、ビタミンEのサプリメントが無効であるという知見も多く、
① 高コレステロール血漿患者での頚動脈性動脈硬化症の進行に対して3年間のビタミンEサプリメントが無効であったこと
② 動脈硬化症患者において、動脈硬化症部位での酸化ストレスはビタミンEサプリメントによって抑制されないこと
③ 約5年間のビタミンEサプリメントによって心筋梗塞既患者での冠動脈性心疾患のリスクが低下しなかったこと、また狭心症患者での狭心症の進行や冠動脈心疾患のリスクも低下しないこと
① 心血管疾患リスクの高い高齢者を対象にした研究で、4~6年間のビタミンEサプリメントが心血管疾患リスクの低下に効果を示さなかったこと
⑤ うっ血性心不全患者へのビタミンEサプリメントがうっ血性心不全に対して改善効果を示さないことなどが報告されている。

高血圧症患者におけるビタミンEサプリメントの効果

例数は少ないが、血圧を低下させることが報告されている。

糖尿病におけるビタミンEのサプリメント効果

代謝異常、酸化ストレス、動脈硬化症などに対する作用が調べられている。ビタミンEのサプリメントが有効であるという報告例としては、
① 糖尿病患者における糖・脂質代謝異常がビタミンEサプリメントによって改善される
② 糖尿病患者における動脈硬化症に対してビタミンEサプリメントが抑制効果を示す
③ 糖尿病で生ずる酸化ストレスに効果がみられるなどがある。一方 ① 肥満の糖尿病患者ではビタミンEサプリメントによってインスリン作用や  線維素溶解の異常がむしろ充進する
② ビタミンEサプリメントが糖尿病合併症である心疾患や腎症の予防には有効でない
③ 糖尿病で生ずる酸化ストレスに対してビタミンEサプリメントは効果がみられなかった
など逆の報告も数多くみられる。

腎疾患におけるビタミンEのサプリメント効果

酸化ストレス、高脂血症、腎疾患の進行、心血管疾患などに対する作用が調べられ、以下のようにおおむね効果のあることが報告されている。
① 腎透析を行っている尿毒症患者においてビタミンEサプリメントが酸化スドレスに対して抑制効果を示すこと
② 腎透析を行っている尿毒症患者の高脂血症がビタミンEサプリメントによって抑制されること
③ 糸球体硬化症患児においてその疾患がビタミンEサプリメントによって部分的に抑制されること
④ lgA腎症患児においてその疾患がビタミンEサプリメントによって部分的に抑制されること
などである。
一方、Mannらは、腎不全患者における心血管疾患のリスクがビタミンEサプリメントによって低下しないことを報告している。

肺疾患におけるビタミンEのサプリメント効果

慢性閉鎖性肺疾鼠患者での酸化ストレスに対して抑制効果のあることが報告されている。

肝疾患におけるビタミンEのサプリメント効果

肝硬変、慢性肝炎など肝障害の改善などに関して調べられ
① 肝硬変患者において、ビタミンEサプリメントが酸化ストレスを抑制すること ヽ
② C型肝炎ウィルス(HCV)による慢性肝炎患者においてビタミンEサプリメントが酸化ストレスを抑制するが、肝炎に対しては抑制効果を示さないこと
③ B型肝炎ウィルス(HBV)による肝硬変患者およびHCV慢性肝炎患者に  おいて、ビタミンEサプリメントが肝障害改善効果を示すこと
④ 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の改善にビタミンEサプリメントが有効であること
などが報告されている。
しかし、アルコール性肝硬変がビタミンEサプリメントによって改善されなかったという報告(de la Maza ら)もある。

神経疾患におけるビタミンEのサプリメント効果

うつ病の改善およびパーキンソン病やアルツハイマー病の進行に関して調べられている。
Morishitaらは、ビタミンEサプリメントがうつ病の改善に有効であると報告している。
Sanoらもアルツハイマー病の進行がビタミンEサプリメントによって遅延されることを示している。
一方、パーキンソン病の進行はビタミンEサプリメントによって抑制されないという研究報告がある.

眼疾患におけるビタミンEのサプリメント効果

白内障の予防や進行抑制、視機能や網膜血流の改善、加齢黄斑変性症の予防などに関して調べられており
① 加齢白内障患者では視機能が改善されなかった
② 中高年の男性喫煙者にビタミンEサプリメントを5~8年間行って白内障の発症頻度や水晶体混濁の程度を調べた結果、ビタミンEサプリメントが白内障発症予防に有効でなかった
③ 高齢健常者においてビタミンEサプリメントを4年間行っても加齢黄斑変性症の予防に効果がなかったなど、ネガティヴな報告が多い。
しかし、加齢白内障患者の水晶体の酸化ストレスがビタミンEサプリメントにより抑制され、白内障の進行が遅延されたという根告や、糖尿病患者でみられる網膜血流量の減少がビタミンEサプリメントによって非糖尿病者のレベルにまで回復するというポジティヴな報告もある。

ビタミンEの安定性

我が国におけるビタミンEの許容上限量については、「2.ビタミンEの栄養摂収基準」で述べたが、ビタミンEの安全性については多くの研究によづて確かめられている23)。
例えば、Kappus5 24)はヒトがビタミンE(3 000 mg/日以下)を長期間(数年間)摂取してもビタミンEの副作用はみられないことを報告している。
日本人についても、8名の健常成人男性(平均年齢27.0歳)を対照群として、22名の成人男性(平均年齢29.3歳)にRRR-α-Toe(800 mg/口)を28日間経口投与して、血漿と血小板中でa-Tocと匠Toc濃度および肝機能、腎機能、血小板凝集、血液凝固などに及ぼす影響が調べられ、血漿と血小板中でα-Toc濃度が約3倍に増加するのに対して匠Toc濃度は半分以下に低下するほかは、副作用がみられなかったことが報告されている25).
このように、ビタミンEは、他の脂溶性ビタミンのAやDとは異なり、過剰症が出にくいビタミンとして広く使用されている。
ところが最近、「ビタミンEの大量摂取は寿命を短くする可能性がある」というヒトを対象にした研究結果が米国ジョンズホプキンズ大学のMillerら26)によって報告され、大きな反響を呼んでいる。このMillerらの報告内容にはいくつかの問題点があり、各方面から多くの反論や意見が寄せられている23)。

機能

細胞の老化を防ぎ、生活習慣病を予防する

食べ物が酸化すると傷んでくるのと同じように、人間のからだでも酸化が起きると、体内に過酸化脂質がつくられ細胞が劣化していきます。これがいわゆる老化や病気の原因となります。
ビタミンEは、この過酸化脂質の生成を防ぎ、細胞の老化を防ぐ働きをしています。
加えて、血液中にあるコレステロールの酸化を防ぐ作用もあり、高血圧、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病を予防する効果も、期待できます。

改善

女性に効果バツグン冷え症改善・美肌効果

ビタミンEは、末梢血管を広げて血行を促進し、自律神経を整えます。血流がよくなるので、冷え症や肩こり、腰痛などが改善されます。
全身の血行がよくなることで新陳代謝が活発になり、肌にハリが出てきます。さらに、ビタミン巳は紫外線に対する抵抗力を上げる特性もあるので、シミやそばかすにも効果的。
Eは冷え症や呵こりを改善させ、肌の色つやをよくする女性にうれしいビタミンなのです。

特徴

性ホルモンのバランスを整える
ビタミンEの化学名は[トコフェロール]といいますが、これは「子どもを産ませる」という意味があります。
Eは女性ホルモンや男性ホルモンの代謝にも関与しています。脳下垂体に働きかけてホルモンの分泌を促進させ、月経前のイライラや生理痛、生理不順などを改善します。
最近では。女性の不妊冶療や更年期障害の治療に使用されることもあります。
男性の場合、精子の数を増やし、活性化させるなど精力を高める効果があるといわれています。
不足
からだの老化が進行し、溶血を起こすこともあるビタミンEが不足すると。血液中のビタミンE濃度が低下して、過酸化脂質ができやすくなります。その結果、細胞の老化が進み、動脈硬化などの生活習慣病、がんなどにかかりやすくなります。
低出生体重児や乳幼児は、赤血球の抵抗性が低下し、溶血性貧血を起こすこともあります。

過剰

過剰症の心配は低い
多めにとると老化予防に 脂溶性ビタミンの中では。とりすぎの心配が少ないビタミンです。
過剰摂取の害が出ない許容上限摂取量(30~49歳)は女性の場合1日700叩で、1日の目安星の80倍以上とされています。
1日の目安奎とされる8叩は、欠乏症が出ない安全圈を示したものです。
生活習慣病や老化を積極的に防ぐ目的であれば、100~300司ほどとると効果的とされています。
ただし、あまりに多くとりすぎると、軽度の肝臓障害や血が固まりにくくなるなどの症状が出るという報告もあります。
m
ビタミンA、Cと合わせて摂取すると効果倍増
ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、Eが含まれる食材は油といっしょに調理をすると、吸収効率がよくなります。
また、EといっしょにビタミンA、Cをとると、相乗効果で抗酸化パワーがアップします。ちなみに、Cには独自の抗酸化作用があるだけでなく、Eの抗酸化を高める働きもあります。
同じく抗酸化作用のあるビタミン
町セレンなども合わせてとると老化防止効果のアップ(アンチエイジング)が期待できます。

この記事を書いた人
分析化学や食品化学などを勉強し、博士号を取得したが、 あるとき、これからの時代はプログラミング!、と思い、 最近では、主にPythonを使いAIやボットを開発中☆
SNSでフォローする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA